田中 和夫
西日本支部副支部長・監事(福岡県)
本日最初のプログラムとなるパネルディスカッションでは、大原康宏先生(福岡県)が座長となり、「膝を中心に、日常の診療で遭遇する超音波画像」というテーマで、中嶋晋先生(長崎県)、川崎和幸先生(長崎県)、馬場豊先生(佐賀県)、小幡龍生先生(熊本県)、寺原雅典先生(宮崎県)がプレゼン形式で報告したそれぞれの症例を基に、会場全体を巻き込んで活発な意見交換が行われました。
パネラー:中嶋 晋 先生(長崎県)
「発育期に於ける小児のスポーツ障害(オスグット病)」という表題で、動画での解説も交えながら、成長の早い12歳の患者3症例を超音波診断装置で経過観察するというものでした。
パネラー:川崎 和幸先生(長崎県)
「下腿三頭筋肉離れに伴う血腫の観察」という表題で、エコー画像上に写し出された黒いものの正体について、意見交換・討論が行われました。会場からは「音響インピーダンスの影響ではないのか?」などの声や、「手技にて圧迫テストをすれば、血腫などの有無が確認できるのではないか?」など、白熱した議論が展開されました。
パネラー:馬場 豊 先生(佐賀県)
「習慣性膝関節水腫の一症例」という表題で、難治性の膝関節水腫である患者さんの、穿刺前後の超音波による観察画像を、動画で検証するといった内容でした。大原康宏座長より、パネラーに対して質問が投げかけられるなど、活発な討論がなされました。
パネラー:小幡 龍生先生(熊本県)
「膝関節損傷の膝関節周辺の損傷について」をテーマに討論が行われました。症例は、スポーツにより膝関節を受傷された患者さんのエコー動画が紹介されるという内容でした。徒手整復を施した後、ノッキングがなくなるなど、整復の技術について討論されました。
パネラー:寺原 雅典先生(宮崎県)
解剖学の基礎的なお話から、超音波診断装置の使用例を、症例紹介と合わせながら丁寧にご説明いただきました。ご講演の中では、「エコー画像により、傷病の大きさを判断することが大切。」といった事や、「エコーによる観察で確認した血腫の在り方で、保存療法の方法を変える。」などの解説があり、参加された先生方にとって大変参考になる、貴重な情報となりました。
田中 良明 先生
井上整形外科クリニック、
臨床検査技師
今回の初級編は、4階会議室で「下肢」をテーマに行われ、講師は大原康宏先生(福岡県)、インストラクターは馬場豊先生(佐賀県)、小幡龍生先生(熊本県)が担当されました。
まず、大原康宏先生によるプレゼンテーション形式での観察部位アプローチ法の解説がなされ、その後、会場内に設置された3台の超音波診断装置の周りに参加者が分かれ、それぞれ講師とインストラクターに手解きを受けながらプローブ・ワークの実習に挑みました。
使用経験のある先生方が比較的多かった為か、プローブ走査や画像描出に慣れた様子の参加者がたくさん見られたのが印象的でした。
竹市 勝
学会理事・諮問委員(東京都)