第24回 「超音波ハンズオンセミナー初級編」 石川開催
2015年9月13日、日本超音波骨軟組織学会認定第24回超音波ハンズオンセミナー初級編が、石川県地場産業振興センターで執り行われました。当日は、時折激しい雨が降るなか42名の参加者にお集まりいただきました。
- 日時
- 2015年9月13日 9時50分から16時まで
- 場所
- 石川県地場産業振興センター 本館2階 第1研修室(〒920-8203 石川県金沢市鞍月2-1)
【開会の辞・連絡事項】
- 富田孝次 賛助会員(茨城県)
【基調講演の部】 座長:對馬 雅彦(学会理事、東日本支部長)
- 演題:『 動物モデルを用いた筋骨格系疼痛のメカニズムの解析 』
- 演者:金沢大学 医薬保健学研究域 医学系 機能解剖学分野(第2解剖学) 助教 堀 紀代美
「動物モデルを用いた筋骨格系疼痛のメカニズムの解析」と言うタイトルで金沢大学 医薬保健学研究域 医学系 機能解剖学分野(第2解剖学)助教の 堀 紀代美 先生より、ラットを用いた研究成果をお話しいただきました。 最初に、筋骨格系の痛みの特徴が皮膚と内臓の中間に位置するイメージの解説からはじまり、“筋膜性疼痛症候群(MPS)の病態メカニズム”についてご説明頂きました。 MPSとは筋肉が原因となって痛みやしびれを引き起こす病態で、くり返し筋肉に負荷をかけると筋肉に微小損傷が発生し遅発性筋痛(筋肉痛)の状態をさらに持続させたりして短期間で自己回復できなくなった状態のこと。との説明から、伸張性収縮運動の反復負荷(REC)を与えたDOMSモデルのラットの作成とそれを用いた実験結果より、再生筋細胞に発現する神経成長因子(NGF)が関与している。との発表に続き、骨損傷時の痛みのメカニズムを骨と骨膜の損傷比較で解説。また、シスプラチン(抗がん剤)の投与により痛覚過敏を誘発したラットを用いて、痛み情報伝達に関係するATP受容体群のうちP2X3とASIC3について阻害薬を使っての比較とその説明をしていただきました。特に痛覚過敏の定量化に握力テストを用いた手法については非常に印象的でした。
【シンポジウムの部】 座長:新井 達也(学会理事、大会長)
新井達也先生を座長に、對馬雅彦先生・曽山良之輔先生・徳田仁志先生、そして急遽、基調講演をしていただいた堀紀代美先生をパネリストに迎え、「下腿三頭筋損傷のエコー観察」櫻井大地先生、「前脛腓靭帯ストレステストの検討」永田和輝先生、「踵立方関節における外傷の症例報告」曽山良之輔先生、「intersection syndromeのエコー観察」對馬雅彦先生の順に発表頂きました。聞かれている会員の先生方も真剣な面持ちで発表に聞き入っておられました。
- 下腿三頭筋損傷のエコー観察
- 櫻井 大地(石川県)
- 前下脛腓靭帯ストレステストの検討
- 永田 和輝(石川県)
- 踵立方関節における外傷の症例報告
- 曽山 良之輔(新潟県)
- intersection syndrome のエコー観察
- 對馬 雅彦(茨城県)
パネリスト:對馬 雅彦(学会理事、東日本支部長)、
曽山 良之輔(学会理事、東日本副支部長)、
坂本 哲也 (学会認定講師)
【教育セミナーの部】-肘関節-
昼の休憩を挟み、午後からは実技実習とされる教育セミナーの部でした。講師には新井達也先生が務められ、「肘関節」を見落としなく効率よく観察するための、外側・内側・前方・後方の基本操作法をご説明いただきました。 その後デモ機5か所に分かれインストラクターの先生のご指導の下、皆さんで画像描出を肘関節中心に行いました。
インストラクター:對馬 雅彦(茨城県)、曽山 良之輔(新潟県)、新井 達也(埼玉県)、
徳田 仁志(石川県)
他、基礎・臨床運動器系超音波技師 資格取得者
※実技風景の様子
【Q&Aコーナーの部】座長: 新井 達也(学会理事、大会長)
左から曽山先生、對馬先生、徳田先生、新井先生
パネリスト:曽山 良之輔(学会理事、東日本副支部長)、對馬 雅彦(学会理事、東日本支部長)、
徳田 仁志(学会認定臨床運動器系超音波技師)
日常の診療での質問を各パネリストの先生方に問い、また実際にエコー画像を描出しながら教えてもらう等、活気ある充実された時間となりました。
【閉会の辞】
- 富田孝次 賛助会員(茨城県)