一般社団法人日本超音波骨軟組織学会  Tha Japanese Society of Bone and Muscul Ultrasound

第15回学術総会(全国大会)

今回で15回目の節目となる学術総会(全国大会)は、日本柔道整復師会 会長 工藤鉄男先生の寄稿ビデオメッセージによりスタートされました。 会場は毎年開催させて頂いている富士通関西システムラボラトリでの開催となり、総勢約130名の参加で開催されました。
本当であれば、もっと多くの参加が見込まれたのですが、あいにく大阪マラソンと日程が重複してしまい、大阪地区のホテル全てが予約できない状況となってしまいました。 会員様からも宿泊先の紹介について本当に多くの電話を頂いたのですが、ご期待に添えられず、参加を断念される会員様が非常に多くあり、事務局としては誠に恐縮な次第です。

日時
2015年10月25日(日) 9時45分から16時30分まで
場所
富士通関西システムラボラトリ4階 大会議室

【開会の辞】

澤田   規 理事(京都府)

【会長挨拶】

山田 直樹 学会会長・理事(愛知県)

山田直樹会長は〝関係者および参加者の皆様、発表者の皆様は日頃の業務の合間を縫って研鑽を積んでこられた事と思う。
本会では、学会認定資格としてエコー画像の読影力を問う〝基礎運動器系超音波技師〟の他、超音波画像診断装置による臨床技術を問う〝臨床運動器系超音波技師〟という2種類の認定資格を発行している。
認定資格制度はこれからの柔整施術には必ず必要になってくるものと思う。本日も休日にもかかわらず多くの方々に時間を割いて参加して頂いているが、我々は今後もさらに勉強を重ねていく必要があり、もっとたくさんの方に本会を受講していただき、柔整業界全体のことを考えていってほしい。
この学術総会で様々なものを吸収して明日からの診療に活かしていただきたい〟と激励した。

【特別寄稿】 座長:田中 和夫 学会副会長・理事(福岡県)

今年3月、(公社)日本柔道整復師会と全国柔道整復師連合会を訪問し、柔道整復師による超音波画像診断装置の更なる普及の他、正しい利用方法を広く認知して頂く事を目的として、超音波画像診断装置による検査料の保険適用認可のため、学会の活動支援ならびに関係省庁への働きかけを要請した。
(公社)日本柔道整復師会・工藤鉄男会長は超音波画像診断装置の有用性を認め、継続的にJSBMとの意見交換を行なっていく考えを示していた。その中で、最大の柔道整復師団体である(公社)日本柔道整復師会会長としての超音波画像診断装置使用に対する見解を広く伝える必要があるとの趣旨から、工藤会長より特別寄稿として今学術総会へビデオメッセージが送られた。

『今後の柔道整復師業界について』※ビデオメッセージ
公益社団法人 日本柔道整復師会 会長 工藤 鉄男 先生

工藤会長は〝我々日本柔道整復師会は、医療介護の抜本的改革において柔道整復業務が必要とされる状況を作るために、学識経験者の方たちのアドバイスをいただきながらありとあらゆる公益事業を展開している。いま我々には取り組むべき3つの課題がある。1つは柔道整復師の急増によって生じた業界の乱れを正すための再構築、2つ目はその乱れによって失われた保険者・地域医療の医療従事者・行政・患者の信頼の回復、そして最後は先達が血の滲む想いで作ってきたこの柔道整復が地域包括ケア制度の中で必要とされるために、上手くバランスを取り改革を行っていくことだ。これらの実現には国民が安心して柔道整復術を受けるためのエビデンスが必要だが、その1つの柱が超音波画像診断装置だと考えている。療養費の点数の中に組み込んでいくのかそうでないのかで大きな違いが出てくると思うが、初期治療に超音波画像診断装置が必要であるならば、間違いなく点数に組み込む努力もしていきたい。そのためには皆様といろいろな情報交換をしながら価値観をともにし、しっかりと皆さんと手を携えながら進んでいくことをお約束する〟と力強いメッセージを送った。(柔整ホットニュースより抜粋 http://www.jusei-news.com)

【基調講演】

座長:金田 晋 理事(愛知県)
*印が発表者となります

『投球障害肩の損傷メカニズムの究明と競技復帰のための治療戦略
 〜スポーツ関節鏡外科医の視点から〜』
*迫田 真輔 先生、河野 公昭 先生

基調講演では、福岡県にある芦屋中央病院の迫田真輔先生にお越しいただき、スポーツ関節鏡外科医の視点から投球障害肩についてご講演いただきました。
投球障害肩は野球に多いが、ハンドボールやバレーボール、テニス、アメフトのクオーターバック等ボールを上から投げたり打ったりするスポーツで発生する肩関節の障害の総称であるとの事の他、正しい治療戦略を立てるにはまず投球障害肩を正しく診断し、招いた原因、運動連鎖の異常は何かを明らかにし、異常の改善に適切にアプローチしていく必要がある。そのためにも正しい投球メカニクスと投球障害肩発生のメカニズムを理解する必要がある等とお話を頂いた。 また、実際にモデルを用いての指導をしていただく等、参加された全員は非常に熱心に傾聴されていた。



【研究発表 第1部】

 

座長:勝田 淨邦 理事(福岡県)、澤田 規 理事(京都府)
太字が発表者(演者)

①「保存療法を選択した若年型の膝離断性骨軟骨炎」
久米鍼灸整骨院 髙橋 達徳(東京都)
東京有明医療大学 久米 信好(東京都)
②「高齢者の膝関節大腿骨内顆部脆弱性骨折 -Bモード超音波画像とMRIの比較- 」
麹町白石接骨院 白石 洋介(東京都)
東京医科大学細胞生理学 森 倫範(東京都)
③「肩関節における筋活動評価の試み -超音波画像診断装置と筋電図を用いて- 」
竹本鍼灸整骨院 竹本 晋史(大阪府)
宝塚医療大学 保健医療学部 澤田 規(京都府)
④「高齢者の超音波画像に基づいた運動器の質の分析」
埼玉県立大学 理学療法学科 西原 賢(埼玉県)
接骨 針灸 介護 こうふく  坂本 哲也(埼玉県)
※発表者の欠席により、この演目は省略とされました。

【研究発表 第2部】

 

座長:渡辺 正哉 監事(愛知県)、矢島 勇 理事(埼玉県)
太字が発表者(演者)

⑤「Real-time tissue Elastographyの定量化に向けて
  -Strain Elastographyを用いた運動器組織の硬度測定- 」
かなざわみなみ接骨院  徳田 仁志(石川県)
⑥「手骨骨折と基節骨骨折の同時損傷例に対して超音波画像診断装置が有効であった1症例」
まえだ鍼灸整骨院 前田 尚利(大阪府)
おくやま整骨院、宝塚医療大学 保健医療学部 奥山 建志(大阪府)
宝塚医療大学 保健医療学部 澤田 規 (京都府)
⑦「肩・PL-notchに対するechoの有用性について」
たむら鍼灸接骨院 山岡 峻(大阪府)
         山根 款(大阪府)
         大柴 友義(大阪府)
         大和 広大(大阪府)
⑧「小児肘頭骨折に超音波画像診断装置が有用であった1症例」
おくやま整骨院、宝塚医療大学 保健医療学部
奥山 建志(大阪府)
おくやま整骨院 原口 卓人(大阪府)
宝塚医療大学 保健医療学部 澤田 規 (京都府)
⑨「上腕骨内側骨折と橈骨頭骨折を合併し超音波診断装置が有用であった1症例」
もりよし整骨院 守永 和哉(大阪府)
おくやま整骨院 森下 愛子(大阪府)
おくやま整骨院、宝塚医療大学 保健医療学部 奥山 建志(大阪府)
宝塚医療大学 保健医療学部 澤田 規 (京都府)
⑩「膝蓋腱炎において腱膜層構造に観察された新生血管-超音波および組織学的検討-」
名古屋市立大学 渡辺 正哉(愛知県)

今年の研究発表は2部構成10演題のエントリーとなり、各会員から長期にわたる研究成果が発表されました。各発表とも非常に興味深い話が多く、各発表終了後には座長主導の元、フロアから沢山の質問が飛び交う場面もある等、非常に盛況な「研究発表の部」となりました。

【会員セミナーの部】

講師:酒本 哲聖  学会認定講師(大阪府)、副講師:奥村 卓巳  学会認定講師(愛知県)
「教育セミナー」-(肩関節)-
 

教育セミナーの講師として本会の認定講師である酒本哲聖先生、副講師に奥村卓巳先生により実施いたしました。
初めに酒本先生より超音波画像診断装置の特徴やルール、用語の説明などの超音波観察の基本を解りやすく説明して頂く。

後、奥村先生により肩関節に焦点を絞って各部位の観察方法等を細かく解説して頂きました。
セミナー後半は参加者が各所に用意された超音波画像診断装置に集まり、熱心にインストラクターから実戦形式で使用方法の指導をしていただきました。

※会員セミナー(実技時セミナー)の様子

【優秀発表(最優秀賞、優秀賞)の表彰】

竹市 勝 学会副会長・理事・諮問委員、
国士舘大学教授(東京都)

最後にJSBMの竹市勝副会長より優秀発表として優秀賞・最優秀賞が発表され、学術総会は盛況のうちに終了した。
2015年第15回学術総会(全国大会) 優秀賞

2015年
第15回学術総会(全国大会) 優秀賞
髙橋 達徳 会員(東京都)
2015年第15回学術総会(全国大会)最優秀賞

2015年
第15回学術総会(全国大会) 最優秀賞
徳田仁志 会員(石川県)

【閉会の辞、連絡事項】

竹市 勝 学会副会長・理事・諮問委員、国士舘大学教授(東京都)

前日に実施された第2回「臨床運動器系超音波技師」試験の実施報告の他、本会の認定資格についての話があり、認定資格の重要性について改めて話をして頂きました。
また、超音波画像診断装置を正しく活用していくためにもこのような活動は必要であり、業界として少しずつでもエビデンスを積み上げていくことが望ましいとの話をされ、業界の更なる発展を祈念して閉会の辞とされました。

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