一般社団法人日本超音波骨軟組織学会  Tha Japanese Society of Bone and Muscul Ultrasound

第38回 東日本支部学術集会(東京開催)

令和元年5月19日(日)、江東区有明3-11-1の東京ビッグサイトに於いて、第38回東日本支部学術集会が総勢107名の参加者にお集まりいただき、盛況に開催致しました。

日時
令和元年5月19日(日)9時50分から16時00分
場所
東京ビッグサイト会議棟6階605~608会議室 (東京都江東区有明3-11-1)

【開会・連絡事項】

對馬 雅彦 学会東日本支部長・大会委員長


【開会の辞】

山田 直樹 学会会長

「平成29年のエコー誤診問題は、まだ調査が続いている状況にあり、業界としてはエコースキルの向上は喫緊の課題となっている。現在、全国では4,000件がエコーを使っていると言われているが、日整と一緒に厚労省との交渉をするためには、エコー使用者の半数が必要であり、当会の1,000名の会員数を2,000名にする必要がある。学会としては、会員数を増やすとともに、正しい知識、技術を習得し安全性を担保する場として活動していかなければならない」。と語られました。


【基調講演】

座長:曽山 良之輔 学会理事

「慢性疼痛と異常血管の関係とその治療法について」

医療法人社団 祐優会 オクノクリニック 院長 奥野 祐次 先生

奥野先生は、「疼痛は、炎症や組織の損傷と修復の過程で、異常血管(モヤモヤ血管)が発生することにより周りに細い神経が増加し、脳に痛みの信号を送ることで発症する。外側上顆炎やアキレス腱炎、肩関節周囲炎などの痛みのある組織には、小血管の増殖とその周囲に神経線維の増殖を確認出来る。」とのことから、痛みの原因となる異常血管から漏れ出した繊維成分を溶かす薬をカテーテルを使い注入するための疼痛治療を、レントゲンやMRIの画像を示しながら詳しく説明して頂き、カテーテル治療が効果的な運動器疾患には、Over use疾患、関節周囲炎、変形性膝関節症、術後痛などがあるとご講演いただきました。


【会員発表の部】

座長:矢島 勇  学会理事(埼玉県)

『腓骨疲労骨折における超音波画像診断装置の有用性の検討』

梅田 和典(北海道)

「初診では肉離れと整形で診断されたが、来院時,超音波画像診断装置で観察したところ、完全骨折していた事例があった。
骨折の原因としては、初診後毎日8kmをランニングしているため疾走により発生したものと思われた。はっきりとした完全骨折を確認でき、超音波画像診断装置での観察は有用であった。
比較的見逃されやすい疲労骨折において、超音波画像診断装置で今後数多くの症例を観察し、復帰時期などの根拠になるように検討していきたい。」との発表がありました。

『臨床から見えてくる様々なエコー画像判断』

濱野 譲二(東京都)

「日々の診療において遭遇することがある3症例(踵骨挫傷、橈骨遠位端部骨折、蜂窩繊炎)について、 臨床所見、エコー画像、診断(Dr.)、X-p、・CT、・MRI等を比較してみた。
橈骨遠位端部骨折に関しては、全方向からの描出と3Dイメージの解析が重要であった。蜂窩織炎では、当初ねん挫と判断したものが対診で蜂窩織炎と分かった。その結果、臨床での発生原因の確認、視診、触診がとても重要であることが再確認でき、対診の際に医師へ正しいエコー評価を伝えられるかも重要である。」との発表がありました。

『HOPS+Imaging -エコー観察から得られる所見-』

櫻井 大地(石川県)

「HOPSとは、病歴聴取、視診、触診、整形外科的徒手検査を意味し、Imagingとは、X-P、MRI、CTや超音波画像診断装置の画像を意味する。
筋肉痛と思われていたものが長内転筋損傷であったもの、痛みの病状が不明であったものが骨折であったもの、原因不明の痛みが蜂窩織炎であったものについての説明があった。HOPSとImagingを重ねることにより、病態の把握がより正しく出来、病態の説明をすることで患者の納得を得られ、適切なアドバイスにつながり、良好な結果を得ることが出来た。」との発表がありました。

『Elastographyの描出 -弾性係数の異なるファントムを用いての検証-』

新井 達也(埼玉県)

「エコー超音波画像診断装置のStrain Elastography(ストレイン・エラストグラフィ)を用いて、弾性係数の異なるファントム(こんにゃく、チーズ、寒天)についてのひずみ方を検証してみた。ファントムごとのnormal strain(垂直ひずみ)とshear strain(せん断ひずみ)を検証してみると、それぞれのファントムは均一な構造だが、深層、中間層、浅層においてひずみの度合いが違っていた。このことから、shear strainは「高ひずみ領域」として検知され、normal strainは「低ひずみ領域」として検知されていることが判明した。」との発表がありました。

パネリスト:
山田 直樹(愛知県)、徳田 仁志(石川県)、西家 洋昭(北海道)、坂本 哲也(埼玉県)


【教育セミナー】

―「肘関節」―

講師:坂本 哲也 学会認定講師

坂本講師には、肘関節の画像を抽出する基本的な走査(前方走査、外側走査、内側走査、後方走査)について、腕橈関節部でそれぞれの走査で関心領域となる部位をどのように抽出するのかについて説明して頂きました。
その後、会場内に配置された各装置に付くJSBMインストラクターの指導の下、参加者も実際に超音波画像診断装置を使って、課題として出される対象部位を抽出して頂きました。

インストラクター:
徳田 仁志(石川県)、西家 洋昭(北海道)、梅田 和典(北海道)、 濱野 譲二(東京都)、
櫻井 大地(石川県)、石田 岳彦(千葉県)、川村 大貴(埼玉県)
他、基礎運動器系超音波技師 資格取得者


質疑応答の風景


【閉会の辞】

對馬 雅彦 学会副会長(茨城県)

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