一般社団法人日本超音波骨軟組織学会  Tha Japanese Society of Bone and Muscul Ultrasound

第51回 超音波ハンズオンセミナー初級編 (北海道開催)

令和元年6月30日、日本超音波個軟組織学会認定第51回超音波ハンズオンセミナー初級編が、札幌市中央区にある北海道立道民活動センター(かでる2、7)520会議室で開催されました。総勢40名の参加者にお集まりいただき盛況に開催されました。

日時
令和元年6月30日(日)9時50分から15時00分
場所
北海道立道民活動センター(かでる2、7)520会議室
(北海道札幌市中央区北2条西7丁目道民活動センタービル)

【開会の辞・連絡事項】

富田 孝次 賛助会員(茨城県)


【基調講演の部】

座長:工藤 重孝 学会認定講師 (北海道)

『上肢疾患治療における運動器エコーの活用』

講師:函館五稜郭病院整形外科 リハビリテーション科 佐藤 攻 先生

佐藤先生からは、「エコーは工夫次第でいろいろな使い方ができるが、そのためには、解剖の知識に基づく病態の把握と操作テクニックが必要である。エコーが特に有用な上肢疾患としては、靭帯損傷、腫瘍、野球肘が挙げられれる。」として、具体的に肘の脱臼やガングリオンと腫瘍の違い、野球肘(OCD)などの症例について、エコー画像やMRI画像を比較して解説していただきました。

また、佐藤先生には、その後の会員発表でのアドバイスも頂戴し、医師の立場からの豊富なお話を伺うことが出来ました。


【会員発表の部】

座長:西家 洋昭 学会理事(北海道)

「尺骨神経の脱臼とスポーツにおける痛みの影響の考察」

金野 吉展(北海道)

「尺骨神経の脱臼がスポーツに及ぼす影響について、68件の症例を、脱臼・亜脱臼・脱臼なしや、スポーツ歴、痛みの有無に分けて分類してみました。

特に、野球をしている人に着目してみると、スポーツ歴が短くても痛みが出る場合もあれば、小学生の頃に痛みがあったが投げ方を見直したことによって今は痛みがなくなった事例もありました。このことから、指導者や治療者が尺骨神経の脱臼の有無を考え、よりしっかりと投げ方の指導をすれば、子供が怪我をせず長くスポーツを楽しむ事が出来るのではないかと思います。」との発表がありました。


パネリスト:
對馬 雅彦(茨城県)
徳田 仁志(石川県)


【理事特別講演】

座長:對馬 雅彦 学会理事 東日本支部長(茨城県)

『運動器エコーにおける読影力向上をめざして-前人未踏の領域?に迫る-』

講師:徳田 仁志 学会理事(石川県)

舟状骨の観察はレントゲンよりエコーの方が有用であるとの論文を紹介した上で、「運動器エコーにおける読影力向上をめざして-前人未踏?の領域に迫る-」と題し講義していただきました。

具体的に“見えないところを見る”として、膝蓋上嚢や大腿膝蓋関節、前十字靭帯など普段見えない内部の組織を献体により生理食塩水を注入し、どのように見えるのか観察した画像を披露していただきました。


『筋肉はどう評価しますか?』

講師:西家 洋昭 学会理事(北海道)

11月10日に仙台で行われるハンズオンセミナー初級編で実施されるポスター発表を念頭において、プローブの傾きによる筋肉の損傷度判定の考察を発表していただきました。

例題として、全道レベルの14歳女性短距離選手の内側ハムストリングス(半膜様筋)受傷の画像を示して、短軸画像で観察する場合のプローブ角は最もHighEchoの画像による判定で良いのか、損傷部位と正常部位の差が明らかになるプローブ角はどこか?と問い掛け、会場からそれぞれの考えが発表されました。


【教育セミナーの部】

初級編 観察部位 - 「 手関節・手指 」 -

講師:對馬 雅彦 学会理事 東日本支部長(茨城県)

手関節、指関節についての長軸や短軸の基本的な走査方法や、ランドマークの描出を講義していただきました。

その後、受講者は、それぞれのレベルにあったブースでインストラクターの指導の下、実際に超音波画像診断装置を使って、課題として出されたリスター結節・深筋腱、PIPの描出を体得していただきました。


インストラクター:
徳田 仁志(石川県)、工藤 重孝(北海道)、信田 千洋(北海道)、梅田 和典(北海道)
他、基礎運動器系超音波技師 資格取得者


セミナー風景


【閉会の辞】

富田 孝次 賛助会員 (茨城県)

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