日本超音波骨軟組織学会 第4回 東日本支部北海道分科会が、
北海道札幌市内で開催されました。

2006/06/19
 
   
     
   平成18年6月18日(日)、札幌市内の「札幌サンプラザ」において、日本超音波骨軟組織学会第4回東日本支部北海道分科会が、参加者総勢44名で開催されました。  
     
 
【基調講演T】
「下肢の超診」
高橋 周 先生
神経運動器学講座整形外科分野助手)
 
     
 

 嶋木敏輝東日本支部支部長の開会挨拶の後、まず、基調講演の部において、神経運動器学講座整形外科分野助手の高橋周先生より、「下肢の超診」というテーマでお話をいただきました。
 まず、アキレス腱の周辺部について、アキレス腱断裂、テニスレッグ、ヒラメ筋損傷等の症例紹介がわかりやすくなされ、ついで、膝関節に関して、脛骨粗面の発育のエコーによる観察が画像紹介され、オスグッドシュラッター病との関連についても説明がなされました。
  さらに、骨軟部腫瘍については、その良性か、悪性かの判断に関する詳しいお話があり、これらを含めて、会場の参加者は日常の診療で超音波を使うことの重要性を再認識していました。また、講演の終了後には、アキレス腱断裂をした参加者の保存療法状況を超音波で実際に観察、診断する場面もあり、会場は、大いに盛り上がりました。

 
     
 
【基調講演U】
「上肢疾患に対する超音波診断の応用」
山本 宣幸 先生
神経運動器学講座整形外科分野医員)
 
     
   続いて基調講演Uとして、同じく、神経運動器学講座整形外科学分野医員の山本宣幸先生より「上肢疾患に対する超音波診断の応用」というテーマでお話をいただきました。
 まず、動揺肩、位置性後方脱臼、随意性脱臼、肩鎖関節脱臼などの事例で、症状がない、単なる関節の緩みであるものが多く見られるというお話がありました。続いて、肘の部分で、肘内障に関して、その原因、症状について詳細な説明がなされ、病態を観察することとともに、その整復の確認に超音波が有効であることが説かれました。
  また、肩の部分では、腱板断裂について、プローブの当て方から始まり、境界エコー・内部エコー・大結節不整像をよく観察することが断裂診断の三つのチェックポイントであるという、詳細な超音波の活用方法が、豊富な映像によりなされ、参加者の関心を引いておりました。
 
     
  【教育(初級)セミナー「体幹実技編」】  
 
嶋木敏輝講師によるプローブ・ワーク実習の様子
テーマ:「頸 椎」
佐藤和伸講師によるプローブ・ワーク実習の様子 柳田雅彦講師によるプローブ・ワーク実習の様子

テーマ:「胸 郭」

テーマ:「腰 椎」
 
     
 

 昼食休憩を挟んで午後からは、教育セミナー「体幹実技編」が始まりました。
 講師には、嶋木敏輝先生、佐藤和伸先生、柳田雅彦先生にご担当いただき、それぞれ「頚椎」「胸郭」「腰椎」についてご講演いただくとともに、プローブワーク実習が行われました。 セミナーに参加した方々は、慣れないプローブワークに悪戦苦闘しながらも、真剣にそのテクニックのマスターに取り組んでいました。

 
     
  【閉会の辞】  
   最後に、学会、諮問委員・理事である竹市勝国士舘大学助教授による閉会の辞が述べられるとともに、連絡事項として教育(初級)セミナー受講修了者の中級セミナーへのステップアップの進め、今後、全国各地で開催される学術集会、分科会等スケジュールの開催予定が述べられました。