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増田雅保
学会副会長・西日本支部支部長
開会の辞の後、最初のプログラムである研究発表の部に移りました。
座長を奥村卓巳先生(愛知県)、副座長を渡辺正哉先生(愛知県)が担当され、研究発表は錦戸成孝先生(愛知県)の「アキレス腱断裂保存療法の自験例」、菊本智史先生(愛知県)の「マイクロコンベックスを用いたACL超音波観察の一考察」、宮田孝慶先生(愛知県)の「無症候性腱板断裂について」、小林久文先生(長野県)の「ATFL損傷のドプラーモードによる観察」と4題が続きました。
今回の研究発表に挑まれた4名は、これからの一層のご活躍が期待されるフレッシュな方々で、日頃の意欲的な取組み姿勢が伝わる充実した発表内容に触発され、それぞれの研究発表の後には、会場内の参加者からたくさんの質問が投げかけられました。時間の都合で質問の数が制限されるほど、活発な質疑応答でした。
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研究発表1
「アキレス腱断裂保存療法の
自験例」
錦戸成孝 先生(愛知県)
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研究発表2
「マイクロコンベックスを用いた
ACL超音波観察の一考察」
菊本智史 先生(愛知県)
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研究発表3
「無症候性腱板断裂について」
宮田孝慶 先生(愛知県)
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研究発表4
「ATFL損傷の
ドプラーモードによる観察」
小林久文 先生(長野県)
司会を渡辺正哉先生(愛知県)が担当され、講師には中部学院大学リハビリテーション学部理学療法学科教授の
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今回の講演では、関節の中でも「肘」に焦点を当てて発表されました。肘関節拘縮の評価や、肘関節終末伸展時の上腕筋の動態、腕筋以外の肘関節屈曲拘縮の要因、上腕骨小頭付近の解剖学的特徴に対して等をテーマに、豊富な数の超音波画像や動画、人体解剖の写真やイラスト、グラフ化した集計データ等を紹介しながら、詳しく解説されました。
講演の終盤では、最近のトピックスとして「上腕筋以外の肘関節屈曲拘縮の要因〜上腕骨小頭付近の解剖学的特徴〜」をテーマに、特に回内・回外運動に伴う橈骨輪状靭帯(EDC区画)の動態を、動画を用いながら詳しく解説され、会場内の参加者の関心も最高潮に達しました。
講演後の質疑応答では、参加者から今回の
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昼食後、プログラムは教育セミナーの部へと移りました。
初級編は今回「上肢」をテーマに行われ、講師には近藤英隆先生(愛知県)、インストラクターには山田直樹先生(愛知県)、渡辺正哉先生(愛知県)、荒畑勝一先生(東京都)、小林久文先生(長野県)が就かれました。
講師である近藤先生がプレゼンテーション形式で講義を行い、特に今回の実習の対象部位である「結節間溝」「上腕骨外側上顆」「リスター結節」について、プローブ・ワークとアプローチ方法の重要ポイントを詳しく解説された後、参加者による実技演習に移りました。
会場内に設置された6台の超音波診断装置を、受講者がそれぞれ囲むような形で、講師や各インストラクターの手解きを受けながら、1名ずつ順に対象部位の画像描出に挑みました。
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また、並行して別会場(レクリエーション室)では入門編が行われました。
講師には金田晋先生(愛知県)が就かれ、音響工学の基礎知識と超音波による画像描出方法の基礎をプレゼンテーション形式で詳しく解説されました。
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最後に、閉会の辞として山田直樹学会理事(愛知県)よりご挨拶があり、今回の中部分科会で平成20年度の行事がすべて無事終了した事への謝意、来る21年度の年間日程のお知らせ、そして、今後皆様のご要望にもより一層応えし、実りある分科会にしていきたいとの抱負が語られ、第17回中部分科会は無事終了しました。
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山田 直樹
学会理事(愛知県)