副会長は挨拶の中で、「最新の超音波診断装置の画像解像度はMRIと比べても遜色のない域まで達しています。本学会で、正確で説得力のある診断画像を撮る技術を習得し、患者に対してエビデンス(施術方法を選択する際の根拠)で説明が出来るようにならなければ、生き残っていけないと思います」と話されました。
増田 雅保
学会副会長(大阪府)
開会の辞の後、始めのプログラム『研究発表の部』に移りました。
座長を奥村 卓巳先生(愛知県)、副座長を日沖 貴宣先生(三重県)が担当され、研究発表は小松 裕司先生(愛知県)による「筋・筋膜のつながりに対しての超音波観察」、小洞 大和先生(愛知県)の「超音波観察装置を用いた船状骨観察の一考察」の2題が行われました。
小松 裕司先生の発表については、増田 雅保先生から「患側のエコー画像のみならず、出来る限り健側のエコー観察も併せて行うことで、より確りとした診断が出来ると思います」というご意見も加えられました。
座長:
奥村 卓巳先生(愛知県)
副座長:
日沖 貴宣先生(三重県)
研究発表の部講師:
小松 裕司先生(愛知県)
研究発表の部講師:
小洞 大和先生(愛知県)
座長と副座長は、引き続き奥村 卓巳先生(愛知県)と日沖 貴宣先生(三重県)が担当され、増田 雅保先生が「エコーにより損傷組織の修復過程を見る」というテーマで症例報告を行いました。
症例報告の中で増田先生は、「Bモードのみの超音波観察だけではなく、ドプラによる超音波観察をもっと併用するべきです。ドプラは、筋の損傷や断裂の修復過程を観察し、判断するのに有効で、治療方針を決める上でも有効です」という見解を示されました。
症例発表の部講師:
増田 雅保先生(大阪府)
司会は金田 晋先生(愛知県)が担当され、本多電子株式会社取締役・豊橋技術科学大学 非常勤講師の小林 和人講師をお迎えして、『超音波診断装置を扱う方のための音響工学』というテーマでご講演をいただきました。
『基調講演』では、超音波の原理の解説に続いて、“サイドローブ”、“多重反射”、“増強”、“減衰”、“ミラー”、“屈折”といった超音波が作り出す“アーティファクト(虚像)”の解説、“ドプラ”についての音響工学的解説など、超音波を上手に扱う上で、また超音波の画像を理解する上で、非常に助けとなる貴重な講演となりました。
司会:
金田 晋 学先生(愛知県)
基調講演講師:
小林 和人
(本多電子株式会社取締役、
豊橋技術科学大学 非常勤講師)
昼食休憩の後、同会場にて『入門編』が行われました。
先月開催された東日本学術集会に続いて2回目の『入門編』は、本年度より全員参加の形となりました。※
講師には 山田 直樹先生が就かれ、学会編の『入門 運動器の超音波観察法』に基づき、第1章「音響工学」のプレゼンがスタートしました。講義では、超音波の基礎的知識から、超音波診断装置の各部名称と表示方法の説明、プローブの種類とその用途などをイラストやアニメーションを使って解りやすく丁寧に解説されました。
※このセミナーは、新たに使うすべての方に安全に正しく超音波診断装置を使っていただくために、また既に『入門編』を終えた参加者にも基礎知識の再確認として、また新人スタッフに教育指導を行うための基礎知識の確認といったことを目的としています。
講師:
山田 直樹先生(愛知県)
その後、実技講習へと移りました。インストラクターは、若曽根 伸二先生(岐阜県)、奥村 卓巳先生(愛知県)、日沖 貴宣先生(三重県)、近藤 英隆先生(愛知県)、金田 晋(愛知県)が担当されました。
各インストラクターの指導の下に、「腓腹筋(下腿後面)」、「膝関節内側側副靭帯(MCL)」、「前距腓靭帯(足関節外面:ATFL)」の描出実習が行われました。
また、田沼 和事務局理事より、来月5月17日に大阪で開催される定時総会の定足数確保のための参加の要請と、参加できない会員の方には必ず議決権行使書兼委任状の返信をいただきたい旨アナウンスがなされ、日本超音波骨軟組織学会第18回西日本支部中部分科会は終了しました。
山田 直樹 学会理事(愛知県)
田沼 和(事務局理事)