(JSBM)日本超音波骨軟組織学会 西日本支部
2009/12/20 更新
三百年の歴史を有する正月行事、“松焚祭”でも有名な宮城県の仙台市青葉区。その青葉区内にあるショーケー本館ビルにおいて、52名の参加者を迎えて本学会の2009年の締め括りを飾る分科会が行われました。

【開会の辞】
 本年の取りを飾る学会行事は、坂本 哲也学会理事の開会の辞で始まりました。
 坂本理事は、『本日は参加会員からの活発な質疑応答を期待しています。今日一日楽しく充実した分科会としましょう』と、ご挨拶されました。
坂本 哲也学会理事

坂本 哲也学会理事

【症例報告の部】
 開会の辞の後、 引き続き座長に坂本 哲也先生が就かれ、矢萩 裕先生(山形県)の「足部:舟状骨疲労骨折」、 松尾秀正先生(秋田県) の「高齢者に発生した左足第1指基節骨骨折について」−レントゲン写真とエコー画像の比較−、 佐々木航先生(岩手県) の「重複骨折によってできた多重反射の一症例」の発表が行われました。

 佐々木会員の発表は、超音波観察装置が生み出す虚像という現象を理解した上で症例画像を分析し、重複骨折という結論を導き出すという、当会入門編の基礎知識も活かされた内容でした。
 矢萩会員、松尾会員を含め、いずれも的確なプローブワークで受傷部を描出した、きれいな断層画像が印象に残る発表でした。
座長:坂本 哲也先生

座長:坂本 哲也先生

発表者:矢萩 裕先生(山形県)

発表者:矢萩 裕先生(山形県)

発表者:松尾 秀正先生(秋田県)

発表者:松尾 秀正先生(秋田県)

発表者:佐々木 航先生(岩手県)

発表者:佐々木 航先生(岩手県)

症例報告の様子
【パネルディスカッションの部】
 続いて、『上肢の外傷』 と銘打った「パネルディスカッション」が行われました。
 こちらでは、関東から遠来の石田 岳彦先生(千葉県)、新井 達也先生(埼玉県) 、矢島 勇先生(埼玉県)に、ディスカッションの題材として上肢の症例を多数提示いただきました。

 先の症例報告の部の松尾会員の発表を含めて、数あるレントゲンで判断し難い骨折の症例を巡り、超音波観察画像による判断の有効性の確立を求める活発な意見交換がパネリストと会場の参加者の間で沸き起こりました。

 また、新井会員の発表症例のひとつを巡っては、 座長である柳田雅彦先生が、尺骨神経脱臼の描出方法を解説して欲しいという要望を出され、パネリストである坂本哲也先生がこれに応じて、尺骨神経の描出方法とプローブワークについて、ドプラ観察の重要性を交えながら実演をされました。
座長:柳田 雅彦先生(茨城県)

座長:
柳田 雅彦先生(茨城県)

症例報告:石田 岳彦先生(千葉県)

症例報告:
石田 岳彦先生(千葉県)

症例報告: 新井 達也先生(埼玉県)

症例報告:
新井 達也先生(埼玉県)

症例報告: 矢島 勇先生(埼玉県)

症例報告:
矢島 勇先生(埼玉県)

パネリスト: 坂本 哲也先生(埼玉県)

パネリスト:
坂本 哲也先生(埼玉県)

パネリスト: 嶋木 敏輝先生(千葉県)

パネリスト:
嶋木 敏輝先生(千葉県)

パネリスト: 矢萩 裕先生(山形県)

パネリスト:
矢萩 裕先生(山形県)

パネリスト: 松尾 秀正先生(秋田県)

パネリスト:
松尾 秀正先生(秋田県)

パネリスト: 佐々木 航先生(岩手県)

パネリスト:
佐々木 航先生(岩手県)

【教育セミナー 入門編】
 昼食休憩をはさみ、プログラムは教育セミナーの部へと移りました。

 講師には曽山良之輔先生が就かれ、学会編の書籍『入門 運動器の超音波観察法』に基づき、入門編第1章「音響工学」のプレゼンがスタートしました。
 入門編の講義では、多重反射や屈折、錯乱、減衰など超音波ビームの特徴が解説されました。このような超音波の特性を良く理解することは、超音波観察装置を使った画像判断を誤らず、的確に行うことにつながります。

※『入門編』は、本年度より全員参加の形となりました。このセミナーは、新たに使うすべての方に安全に正しく超音波診断装置を使っていただくために、また既に『初級編』を終えた参加者にも基礎知識の再確認として、或いは新人スタッフに教育指導を行うための基礎知識の確認といったことを目的としています。
講師:曽山良之輔先生(新潟県)

講師:
曽山良之輔先生(新潟県)

入門編の様子
入門編の様子
【教育セミナー 初級編】
 プログラムは、教育セミナー初級編「上肢」の部へと移りました。
 今回の初級編は「上肢」をテーマに行われ、講師には坂本 哲也先生(埼玉県)。 インストラクターには石田 岳彦先生(千葉県)、新井 達也先生(埼玉県) 、柳田 雅彦先生(茨城県)、嶋木 敏輝先生(千葉県)が就かれました。

 冒頭で坂本先生は、「柔道整復師業務の基本的な流れは、まず患者さんの視診・問診を行い、徒手検査などの臨床所見に基づいて判断(診断)し、治療を始めるという流れですが、超音波観察装置はそのような臨床所見を裏付ける為に使うものだと理解して欲しい。」というお話しをされました。

 講義は、手指→手首→上腕→肘→肩と巡り、”突き指損傷”・”右手第2基節骨基底部骨端部骨折”から”橈骨下端部骨折”・”尺骨神経脱臼”・”石灰性肩板炎”など、各部位の症例を交えて解説された後、ポイントとなる的確なプローブアプローチのコツについて説明されました。
 特に今回の実習対象部位である「第3指PIP関節」と「腕尺関節」、「上腕骨下端部」の描出方法については、実際にプローブを手に取って実演されながら解説された後、 参加者を実技演習へと導きました。
講師:坂本 哲也先生(埼玉県)

講師:坂本 哲也先生(埼玉県)

初級編の様子
初級編の様子
【閉会の辞】
 閉会の辞で、 柳田雅彦 学会理事から「この東北分科会をもちまして、本年の全てのスケジュールが無事終了しました。」と述べられ東日本支部第7回東北分科会が無事閉会となりました。
柳田雅彦 学会理事(茨城県)

柳田雅彦 学会理事(茨城県)