基調講演では、関節リウマチやドプラーのお話をお聞きすることができます。
今日も一日長丁場にはなりますが、最後までお付き合い頂ければと思います。というお話で、基調講演に移っていきました。
【基調講演Ⅰ】 司会:渡辺 正哉(愛知県)
「関節リウマチ モデルを用い”炎症〜骨破壊〜合併症”の連鎖を探る」
名古屋市立大学 医学研究科 細胞分子生物学分野 学内講師
金澤 智 先生
炎症、骨の損傷時に骨の中心がどうなっているのか。細胞集団がどうなっているのか。というお話をさせていただきます。と金澤先生。
関節リウマチは、遺伝の影響が強く、10人に1人がリウマチになるという割合で発症。リウマチモデルマウスを作成するための方法や、何をきっかけにリウマチが起こるのかなど、モデルマウスを作る段階の実験よりご説明いただきました。
リウマチは死に至る病気ではないが、
肺炎が起こり重篤な状態になることがある。
リウマチの患者さんは肺炎が起こる事が多い。炎症、骨破壊のステージでは肺炎は見えない。それが落ち着いてから起こる。そこに注意すべきだが、まだまだ関節リウマチは、炎症の細胞が入って来るほうが先か?滑膜細胞が入って来るのか?など、議論されていることも多い。ですので、これからももっと詳しく煮詰めていきたいと思います。とお話し下さいました。
会場の参加者からは、初期の段階(クリニカルスコア)で、リウマチと関節炎なのかと判断で迷う。早期の時点で判断するには、どうしたらよいか?などのご質問が寄せられました。
金澤先生からは、そこが最大の課題でもあり、進行した状態じゃないとまだ確定診断は難しい。
長期に長引く様だったら間違いありません。とお答え頂き、関節リウマチは診断に関しても、まだまだ難しい傷例であると言えるのだなと改めて感じました
渡辺 正哉先生(愛知県)
司会:山田 直樹
「血流をどう読む」
クリニカET血管内治療部 奥野 祐次 先生
カラードプラの画像だけでは血管がどのように走っているのか想像しきれないようなものも、血管内映像や解剖図を用いてわかりやすく説明して下さいました。
生体における無血管組織というものを理解し、どの状態が異常なのかを知ることにより、悩まずスムーズに診断ができる有用性を知ることができた講演でした。
山田 直樹先生(愛知県)
座長:若曽根 伸二(岐阜県)
発表:
★「前十字靭帯断裂における一考察」
日沖 貴宣先生(三重県)
臨床現場において、ACL損傷を見極めるのに難渋する事があり、エコーを用いた観察能力について考察した。 ACL断裂と診断された症例に対し、関節観察内靭帯であるACLをリニアプローブを用いて観察。
★「ばね指に対するリニアプローブによるアプローチ法について」
杉村 美佳先生(愛知県)
ばね指の観察方法については、ホッケー型プローブを用いての描出が一般的だが、 今回はリニアプローブを用いて、ばね指における浅指屈筋腱、深指屈筋腱とA1pulleyの従来の観察法の 問題点を検討し、新たな評価方法として提案することを目的とする。
★「アキレス腱の超音波観察によるタイプ分類」
天野 友子先生(愛知県)
アキレス腱は一般的に腓腹筋とヒラメ筋の共同腱と言われているが、今回の研究でアキレス腱の超音波観察を行うと、 その構造にいくつかの違いがある事がわかった。 実際にアキレス腱の超音波観察と肉眼による観察の両方を行い、実際のアキレス腱の構造について比較検討して。 アキレス腱を便宜上3パターンに分類。
タイプ1 ヒラメ筋に付着する結合組織が腓腹筋腱に付着しているもの
タイプ2 ヒラメ筋に付着する結合組織が踵骨 (最も多い)
タイプ3 腓腹筋腱にヒラメ筋が付着しているもの。
今回は入門編「下肢(健常例)」、初級編「体幹」共に、金田晋先生が講師を務められました。刷新されたテキストでプレゼンによる解説が行われた初級編では、チェックポイントとなる部位ごとに実技に移りました。
入門編「上肢(健常例)」 講師:
金田 晋 先生(愛知県) 入門編の様子
初級編「体 幹」−
インストラクター:
渡辺 正哉先生(愛知県)、日沖 貴宣先生(三重県)、山本 幸治先生(岐阜県)、
近藤 英隆先生(愛知県)、天野 友子先生(愛知県)、菊本 智史先生(愛知県)、
小池 翼先生(愛知県)、小洞 大和先生(愛知県)