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本日の基調講演では、私の米田柔整専門学校のときの先輩であり、大変すばらしい功績を残されている白石洋介先生より「長管骨骨折保存療法の経過におけるBモード超音波画像観察と組織学的理解」、
さらにはここ名古屋市立大学の三浦裕先生より、私たち人間にとっての永遠のテーマである老化などに関わる「酸化ストレスと生命」と、2つの貴重なお話を伺える講演となります。また研究発表でも2つのテーマが用意されています。
このように柔道整復師が研究を積み重ね、日頃の診療に活かせる事ができる様な情報収集の場で当学会はあり続けたいと思い、その一環として次年度より初級編セミナーを3部構成から6部構成へとさせて頂きます。時間的束縛から細かい部分に触れられない、多くの事が解明されてきたため、もう少し幅広く皆様にお伝えしたい等の思いから決定致しました。
今日は朝10時から夕方4時くらいまでと長い1日ですが、皆様と活発なディスカッションができればと思っております。以上で私の挨拶を終わらせて頂きます、どうも有り難う御座いました。と言う開会のご挨拶を、山田 直樹 副会長・西日本支部支部長より頂きました。
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副会長・西日本支部支部長
司会:近藤 英隆(東京都)
「長管骨骨折保存療法の経過におけるBモード超音波画像観察と組織学的理解」
帝京平成大学 ヒューマンケア学部 柔道整復学科 教授 白石 洋介 先生
今まで腱や靭帯の癒合の強さはコラーゲンがどれだけ増えたか等、細胞外基質での研究をなされてきたが、骨折の徒手整復の再転移等は、収縮能力をもった筋線維芽細胞(Myofibroblast)が関与している。断裂した腱や靭帯、骨などの周囲の膜の中にある細胞は必ず増殖し、それらは大変収縮性に優れた筋線維芽細胞(Myofibroblast)である事を理解し、超音波観察でそれらがどんな働きをしていくかを考えて観察する事や、人体を傷つけない事で各細胞間のやりとりを損なわない柔道整復師の保存療法が、骨折の早期治癒を導き出せる等、ミクロ世界での理解の重要性を感じさせる、非常に奥深い内容となりました。
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近藤 英隆 先生
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白石 洋介 先生
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司会者:渡辺 正哉(愛知県)
「酸化ストレスと生命」
名古屋市立大学 大学院医学研究科 分子神経生物学分野 准教授 三浦 裕 先生
老化の解明にも関わる「酸化ストレスと生命」といった難しく大きなテーマを、とてもユーモアに
わかりやすくお話くださいました。人体ではミトコンドリアが絶えず酸素を消費している、酸素の一部は細胞に損傷を与えるROS(活性酸素)に変換される事があり、これらを無害化する為にSODなどの
酵素や、抗酸化物質である各種ビタミン等がある。しかし活性酸素を抑制する為のビタミンC等の過剰な摂取や投与は、酸化還元のバランスを崩し逆効果となってしまう事。
また活性酸素自体、単に細胞の損傷や破壊の原因になるだけでなく、呼吸の微調整や不具合を核に
知らせる重要な役割を演じている等のお話は、健康の為に普段からサプリメントや含有食品をたくさん摂取する人にはとても印象に残るお話でした。
酸素と水の酸化還元によるシンメトリーの中で我々は生きており、活性酸素を除去したり、抗酸化物質を活性化できれば必ずしも良い訳ではなく、これらのバランスが大事なのだと認識を改めさせる大変深いお話でした。

渡辺 正哉 先生
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三浦 裕 先生
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座長:奥村 卓巳(愛知県)
「三角線維軟骨複合体(TFCC)の超音波観察法」
東海スポーツ接骨院 小池 翼 先生
「腰部安定化機構と腰痛との関連性
~超音波観察における腹横筋・内腹斜筋 筋厚比評価~」
ヤマモト整骨院 山本 幸治 先生
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奥村 卓巳 先生
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
入門編第3章ー「下肢(健常例)」ー
講師:金田 晋(愛知県)
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金田 晋 先生
今回の初級編は「上肢」をテーマに行われました。
初級編ー「上肢」ー
講師:近藤 英隆(愛知県)
インストラクター:奥村 卓巳(愛知県)、菊本 智史(愛知県)、天野 友子(愛知県)
渡辺 正哉(愛知県)、山本 幸治(岐阜県)、小池 翼 (愛知県)

近藤 英隆 先生
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