副会長・東日本支部支部長
司会:佐藤 和伸 先生
「四肢骨軟組織の保存的治療 『超音波検査の価値をたかめる使用法の模索』」
東京有明医療大学 保健医療学部 柔道整復学科 学科長 教授 柚木 脩 先生
始めに、超音波観察において必要とされる心構えについて述べられ、エコーは探知機であり、何かが見えているが決して実物を見ている訳ではなく如何に真実に近づくかという研究者としての態度が必要である、1つには医の理念、2つ目に厳正な自己規律と相互批判の態度、3つ目は専門家であるという自覚を持つ事、超音波は観えるという事だけではなくこれらを踏まえてどのように使うかという事が重要であるとおっしゃいました。そして専門家としての研究の進め方、どんな画像を撮り、どう読むのか、どう説明して、治療にどう活かすのか、これら研究デザインお作成が重要であるとも述べられました。最後にエコー検査を今後どのように展開していくかが課題であると述べ、エコーの有用性や可能性についてを熱く語って下さいました。
佐藤 和伸 先生
柚木 脩 先生 先生
司会:坂本 哲也 先生
パネリスト:柚木 脩 先生 山田 直樹 先生
「橈骨下端骨折のエコー画像分類」 新井 達也 先生
「上肢の症例報告」 矢島 勇 先生
「中学生サッカー選手の橈骨下端部骨折」 川村 大貴 先生
「橈骨遠位端骨折の症例報告」 石田 岳彦 先生
癒合のリモデリングが盛んな成長期の子供の場合は整復の必要があるか否かや、初診時にうまく整復したつもりが1ヶ月後のレントゲンでは初診時と変わらない状況になっていた報告等に、パネリストとして参加された柚木先生と会場とで活発な議論が交わされました。前者は痛みが楽になるということで迷いながらも整復をするが、折れた場所次第では発育急進期よりも前であれば半年で自家矯正される可能性もあり、むやみに整復をする必要はないと、判断の難しさを語って下さり、後者は時間の経過で筋肉の痙攣が起きてずれてしまう可能性があるので、初診時から24時間経過後にサイドレントゲンを撮るのが鉄則であり、施術をする事とそれを維持する事は別であると注意を喚起して下さいました。
超音波により判断の精度の向上や治療の幅が広がり、画像を用いた説明が出来る事で患者さんの自身の症状への理解や信頼関係の構築に大いに有効である事を感じさせられました。
新井 達也 先生
矢島 勇 先生
川村 大貴 先生
石田 岳彦 先生